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世にあふれる商業主義デザインに一石を投じる!?
取手市コミュニティバスのデザイン

取手市コミュニティーバス写真。(1)中央循環東ルートバス・写真 取手市コミュニティーバス写真。(2)中央循環西ルートバス・写真 取手市コミュニティーバス写真。(3)西部ルートバス・写真 取手市コミュニティーバス写真。(4)北部ルートバス・写真 取手市コミュニティーバス写真。(5)東北部ルートバス・写真 取手市コミュニティーバス写真。(6)東南部ルートバス・写真

商業主義に一石を投じる取手市コミュニティバスのデザイン[1]

商業主義に一石を投じる取手市コミュニティバスのデザイン[2]

商業主義に一石を投じる取手市コミュニティバスのデザイン[3]

商業主義に一石を投じる取手市コミュニティバスのデザイン[4]

商業主義に一石を投じる取手市コミュニティバスのデザイン[5]

幣サイトの管理人が思うままに綴ります。

昨今の規制緩和で、バスや電車への面積の大きな車体広告が解禁され、ラッピングバス・ラッピング電車を街の中で見かけることは珍しくなくなりました。プロの広告デザイナーによるそれらの車体ラッピング広告は、とても見栄えがし、広告らしさをあまり感じさせないものもあります。

しかし、よく考えてみると、どんなに綺麗でセンスがよいラッピングバス・ラッピング電車も、所詮は商業メッセージ――お金儲けの道具です。ラッピングバス・ラッピング電車の使命は、消費者にいかに広告メッセージを届けるか、広告の収益によって鉄道・バス会社や広告会社、広告を打ち出した企業の利益に貢献するか…。それ以上でもそれ以下でもないのです。

特に路線バスの全面車体広告では、バス会社の車体カラーが大きく隠され、複数会社の路線バスが行きかう都市部では、バス利用客がバス会社を見分けにくいといった弊害も起きています。まさに、デザインが商業主義に飲み込まれてしまった格好です。

その点、取手市コミュニティバスの車体のデザイン――車体に書かれている文字・言葉たちは、バスのデザインを担当した東京芸大の日比野克彦氏がコミュニティバスの沿線住民から、沿線のイメージを聞き取ったものといいます。

取手市コミュニティバスの車体に書かれた文字・言葉たちは、お金が絡んだ宣伝文句ではないのです。

世の中の全ての物――もちろん言葉も例外ではありません――がお金に換算される商業主義の世の中において、取手市コミュニティバスの車体に書かれた文字・言葉たちは、私たちに、この商業主義万来の、今の世の中を考えさせてくれるものだと思います。

その意味で、取手市コミュニティバスのデザインには大きな意義があると思います。

正直なところ…市役所のサイトで見たコミュニティバスの「完成予想図」を見たときは「???」だったのですが、実際に完成し、街中を走っているバスを見ると、そういうのもありかな…と思えてきました。

「これがお金の絡んでいない言葉だ!」…というメッセージを、今日も取手市コミュニティバスは街中へ、田園へ振りまきながら走っています。

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